高層住宅

ごみカート(第1弾)


山口コメント
1.良かった点
実証開始から約2週間の状況では、全体として大きな問題は発生していません。
• カート周辺へのごみの散乱や、カートからごみがあふれる状況は確認されていません。 
• ごみ量が多い月曜日には14台すべてが満杯になりましたが、収容量の範囲内に収まりました。 
• 生ごみの著しい液だれや、カラスによる被害も確認されていません。 
• 14台分のごみを収集車へ投入する作業は約10分で、収集時のごみの散乱もありませんでした。 
• 利用者からは「24時間いつでもごみを出せるので便利」、収集作業員からも「手間がかからず便利」との意見がありました。 
2.今後の検討課題


① ルーバーとカートの干渉
ルーバーがカートのポールや蓋に当たり、正常に開閉できない場合があります。その際、重いカートを手で動かす必要があり、高齢者を含む利用者にとって負担となります。
実際には、ルーバーを上げずに直接カートへごみを入れている人がほとんどです。
そのため、まずルーバーを設置する目的を確認し、必要性が低ければ撤去も含めて検討します。必要な場合には、カートと干渉しない構造への改善が必要です。
② カートの蓋同士の干渉
カート同士の間隔が狭いため、蓋が重なって開けにくい場合があります。
蓋を十分に開けられる間隔を確認したうえで、カートが動かないよう、床面への位置表示やストッパーの設置を検討する必要があります。
ただし、間隔を広げると設置できるカート数が減る可能性があります。そのため、「使いやすさ」「必要台数」「設置スペース」「収容量」を合わせて検討する必要があります。

3.総合コメント
実証開始から約2週間の途中経過では、ごみの散乱、あふれ、著しい液だれ、カラス被害などの大きな問題は確認されておらず、ごみカート方式そのものは比較的順調に運用されていると考えます。
一方、ルーバーやカートの配置については、利用者が重いカートを動かさなければならないなど、改善すべき点があります。
今後も実証実験を継続し、利用者の使いやすさ、必要なカート数、衛生面、周辺環境への影響、収集作業の負担を確認したうえで、総合的に評価することが重要だと考えます。
この構成なら、第1弾を「問題があった」と評価するのではなく、カート方式そのものの評価と、付帯設備であるルーバー・配置の問題を分けて説明できる点が重要です。これは今後、第2弾などと比較する際にも有効です。

利用者アンケート(途中経過 39%回収 アステムA・B棟団地管理組合法人)
 車両が頻繁に通行するため、事故にならないか怖い。(目かくしのシートも高いため)
 住民以外の方がごみを出しに来ないか心配。
 身長の低い方には高さが高い。
 ごみがカートの奥まで入れるのが難しく、手前に偏ってしまっている。
 ごみをカートの奥に押し込む棒あれば便利に感じた、
 空のカートを探すのが面倒。空・満杯の表示する仕組みを考える必要あり。
 雨の日に、傘をさしていると片手が塞がっているのでカートの蓋を開けてごみを入れるのは大変。
 距離・動線日頃の移動経路上にないため不便に感じる。
 すぐにごみを出せず、用事のついでにごみを出すことになり、家の中で匂いがして困った。
 不燃物場所が移動したが、A棟の玄関に近く、毎日視線に入るため不満。
 匂い・衛生面蓋が適切に閉まっていないことがあり、匂いがした。
 周囲の目かくし(シート)の材質・色・高さは改善が必要。
 ごみカートはもう少し落ち着いた色がよい。


金網ごみカート(第2弾)


1.良かった点
第1弾と同様に、現時点では全体として大きな問題は発生していません。
• カート周辺へのごみの散乱や、ごみが周囲にあふれる状況は、全体としては確認されていません。 
• 生ごみの著しい液だれや、カラスによる被害も確認されていません。 
• 24時間いつでもごみを出すことができるため、利用者にとって利便性の高い方式となっています。 
• 収集作業についても、カートを利用することで比較的効率よく収集できています。

2.今後の検討課題
① 景観との調和
• 金網で囲ったごみステーションは、柱や前面の網ドアなどが目立ち、住宅周辺の景観との調和という点では改善が必要だと感じます。
• 将来、長期間使用する設備となる可能性も考え、単にごみを囲うだけではなく、住宅地の景観に配慮した外観や構造を検討する必要があります。
② 網ドアの開閉方法
• 前面の網ドアは、網を支えるリング部分の動きが悪く、開けにくく、閉めにくい状態です。また、利用後にきちんと閉めにくいという問題もあります。
• 毎日のごみ出しに使用する設備ですので、高齢者を含め、誰でも軽い力で簡単かつ確実に開閉できる構造への改善が必要です。
③ 出入口の位置とカートの利用の偏り
• 現在、出入口が中央の1か所だけのため、利用者は出入口に近いカートにごみを入れる傾向があります。その結果、一部のカートだけが早く満杯となり、ごみがあふれて蓋が閉まらない状態が発生しています。
• これはカート全体の収容量が不足しているというよりも、出入口の位置によって利用するカートが偏っていることが原因の一つと考えられます。
• 改善方法として、両端にも出入口を設けるなど、すべてのカートを均等に利用しやすい配置を検討する必要があります。

3.総合コメント
• 第2弾の金網ごみカート方式についても、現時点では、ごみの散乱、著しい液だれ、カラス被害などの大きな問題はなく、ごみを収集・保管する基本的な機能は果たしていると考えます。
• 一方、今回の実証実験によって、景観との調和、網ドアの使いやすさ、出入口の位置によるごみカート利用の偏りという新たな課題が確認されました。
• 特に、一部のカートだけが満杯になる問題は重要です。必要なカート台数だけでなく、「利用者がどこから入り、どのカートにごみを入れるのか」という人の動きまで考えて設備を設計する必要があることが今回の実証実験から分かりました。
• 今後は、利用者の使いやすさ、景観、カートの利用状況、衛生面、収集作業の負担などを引き続き確認し、より使いやすいごみステーションへ改善していくことが重要だと考えます。